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自由化が加速、格安勢との本格競争へ突入した航空業界 

東洋経済オンライン - 2008年4月8日

数千円で海外旅行――。今、世界の空ではLCCローコスト・キャリア)と呼ばれる格安航空会社が台頭。飛行機は特別な乗り物ではなくなり、生活環境やビジネスを大きく変える存在になってきた。日本へも静かに迫りつつある。
 昨年12月15日、1機の見慣れない飛行機が成田空港に到着した。2006年に発足したLCC、ビバマカオ航空だ。成田―マカオを週2往復する定期チャーター便だ。ビバマカオの日本総代理店であるエア・チャーター・インタナショナルの大林佳弘社長は「将来は定期便運航が夢」とあくまでも強気だ。


関空―シドニー2万円、ベトナム直行便も計画

 LCCの先輩格、ジェットスター航空は3月に日本就航1周年を迎えた。親会社の豪カンタス航空が就航していない関空と中部に乗り入れ、関空―シドニー往復2万円など驚異的なキャンペーンを仕掛けてきた。
 ジェットスターの片岡優日本支社長は「半年先でも予約は埋まっている。料金に対するニーズは強いことがわかった」と指摘。「1便当たりの運航コストはカンタスに比べて4割低く、従業員の生産性は倍ある」と採算ベースにも自信を見せる。

 これまでは国土交通省が定める運賃下限があったが、4月から撤廃され、原則自由になるため、新たな価格設定も検討中だ。さらに同じカンタス傘下のベトナムのLCC、パシフィックエアラインも日本への乗り入れを模索している。近く国交省に申請して、ホーチミンと関空もしくは中部との直行便を飛ばす計画だ。
 LCCは徹底したコスト削減が特徴。ジェットスターの場合、機内食や毛布は事前予約の有料制(3700円)だ。飛行機の種類も絞り、少ない社員で多くの仕事をこなす。ただ、これまで日本への参入は少なかった。障壁が多いからだ。
 成田は40カ国以上が新たに乗り入れを希望しているものの「空き」がない状態。日本は乗り入れ空港や便数を自由化する航空自由化交渉で韓国、タイ、香港、マカオと合意したが、成田と羽田は対象外。着陸料なども世界屈指の高さでコストに敏感なLCCにとっては重荷だ。その中、10年には成田・羽田の発着枠が拡大し国際線便数が大幅に増える。外資系航空会社は発着枠を虎視眈々と狙っている。
 迎え撃つ日本勢は態勢作りに必死だ。全日本空輸は1月に「アジア戦略室」を設置。山元峯生社長は「近距離路線では全日空のコスト構造で立ち行かなくなる」と指摘しており、09年度をメドにLCCの設立を進めている。アジア戦略室は4月までに拠点を香港に移し、アジアの航空会社との合弁会社を模索する。
 再建途上の日本航空・西松遙社長は「10年までにグループ運航比率を国際線で25%から38%、国内線で25%から41%まで引き上げる」と、グループ会社を活用する方針。運航コストが本体より1割低いからだ。

 国交省の規制に長年守られてきた日本の航空会社もようやく危機感を持ち始めている。しかし本格競争まであと2年。準備は間に合うのか。

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